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女性と内科疾患 特発性血小板減少性紫斑病
■ はじめに = 特発性血小板減少性紫斑病とは? =
特発性血小板減少性紫斑病 (Idiopathic thrombocytopenic purpura : ITP) とは、明らかな基礎疾患・原因薬剤の関与なく発症し、免疫学的機序により血小板破壊が亢進して、血小板減少ため種々の出血症状をひき起こす病気のことをいいます。推定発病または診断から 6 ヶ月以内に治癒する「急性型」は小児に多く、 6 ヶ月以上遷延する「慢性型」は成人に多い傾向にあります。ここでは大人に多く見られる慢性型につき解説します。
 
■ 頻度と性差

わが国における発症数は年間 1000-2000 例、人口 10 万人当たりの有病率は 10-15 人程度と報告されています。好発年齢は 20-40 歳で、男女比は1: 4-5 と女性に多い疾患です。

 
■ 原因は

血小板に対し、何らかの原因で PAI g G という自己抗体(自分自身の血小板と結合する抗体)が出来て、 PAI g G と結合した血小板が、脾臓で破壊されるために、血小板が減ってしまうと推定されています。しかしながら、なぜ「自己抗体」ができるのかについては、未だはっきりとしたことは分かっていないのが現状です。また肝疾患など他の病気においても PAIgG が高値である場合もあり、 PAI g G だけで病態を説明することは出来ません。

 
■ 症状は

出血した場合に、それを止める重要な役割をしているのが血小板です。ですから血小板の数が減ったり、機能異常があると出血し易くなります。 ITP では血小板の数が減少しますから、種々の程度の出血症状がみられます。点状や斑状の皮膚にみられる出血、歯ぐきからの出血、鼻出血、便に血が混じったり、黒い便が出る、尿に血が混じって、紅茶のような色になる、月経過多、重症な場合は、脳出血が起きる場合もあります。ただし、血友病などの凝固異常症でみられる関節内出血や血腫はまれです。

 
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■ 診断は

まず本当に血小板数が少ないかどうか確認する必要があります。採血した後に試験管の中で血小板が凝集して大きな塊(かたまり)になると、機械で測定した際に測定されないため、見かけ上低値になる事があります。これを偽性血小板減少症といいますが、時にこの結果だけで ITP と診断される場合がありますので注意が必要です。
血小板数の低値が確認されたら、まず骨髄で実際に血小板が産生されているかどうかを確認します。骨髄に細い針をさして骨髄液を少量採取し、骨髄液に含まれる巨核球(血小板の親玉)を調べます。この巨核球数が減少していなければ、骨髄で血小板が間違いなく産生されていると確認できます。
次に血小板を破壊する自己抗体( PA IgG)を測定します。 ITP では 80 %以上の症例で、この PA IgGが検出されます。しかし肝硬変や慢性関節リウマチ・甲状腺の自己免疫疾患などにおいても陽性になる場合があり、この病気だけに特異的な検査ではありませんが、参考所見としては極めて重要です。
その他、網血小板数の上昇、血小板膜蛋白特異抗体( IIb-IIIa 複合体に対する自己抗体)の存在、シンチグラムによる血小板寿命の短縮、血清トロンボポイエチンが著明高値でないこと などが参考所見となります。

 
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■ 治療は

ITP と診断されたからといって必ずしもすぐに治療を開始する必要はありません。血小板数、出血症状の有無などを総合的に判断して治療方針を決定します。血小板数が 5 万以上で出血傾向が全くない場合には、一般的には経過観察で十分です。また先行感染に続発して発症する急性型の ITP は、自然寛解するケースが多いので、出血危険がない限り経過観察するのが原則です。
慢性期の ITP で、最初に行う標準的な治療は副腎皮質ステロイド( 1mg/kg が目安)の内服で、血小板数や症状をみながら徐々に減量していくのが一般的です。約 80 %の症例で血小板は増加しますが、ステロイドの減量に減少し、少量のステロイド( 1 日 10mg 以下)で血小板数が安定する症例は約 20-30 %程度に過ぎません。
副腎皮質ステロイドが無効な場合や、副作用のために治療の継続が困難な時には、手術で脾臓を摘出することもあります。脾摘直後には約 90 %の症例で血小板は増加しますが、永続的な血小板上昇効果は約 60 %ですので、術後に血小板が増加してもすぐに安心は出来ません。
脾摘が無効の時にはアザチオプリンやシクロホスファミドなどの免疫抑制剤や用いることがあります。また、大量のガンマ・グロブリンを使った点滴治療は非常に効果がありますが、一過性の効果( 2- 4週間程度)しかないため、手術の前や脳出血など緊急時にのみ使用されます。その他、ダナゾール、ビタミン C の大量内服、植物アルカロイドのセファランチン大量内服、ビンクリスチン(抗がん剤)の緩速点滴静注などの治療が選択される場合があります。
近年、胃・十二指腸潰瘍の原因となるヘリコバクター・ピロリ菌と ITP の関連が注目されています。この菌を保有している症例では、抗菌薬で除菌することにより、半数以上の患者さんで血小板数が増えるとの報告が相次いでおり、 ITP 治療の第一選択となる可能性があります。担当医とよく相談することをお勧めします。




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