自律神経失調症

■ はじめに
自律神経失調症は男性よりも女性に多い病気ですが、それは毎月の月経、妊娠・出産、更年期〜閉経と、一生を通じて変化する女性ホルモンが、自律神経の働きに影響を与えるからです。自律神経は、食べ物を消化したり、心臓を動かしたり、汗をかいたりと、自分ではコントロールできない体の機能を調節する神経で、緊張を高めて心身を活動させる『交感神経』と緊張をやわらげリラックスさせる『副交感神経』が、お互いにバランスをとって働います。このバランスが乱れるために起こる心と体の不調が自律神経失調症です。その原因は女性ホルモンの影響以外に、体質や性格、家庭・仕事・子育てなど日常のストレス、夜ふかし・不規則勤務など生活リズムの乱れ、転勤・転職による環境の変化など様々です。

■ どんな症状?

頭痛、頭が重い
耳鳴り、耳のつまる感じ
口の乾き、口腔内の痛み、味覚異常
疲れ目、なみだ目、目の乾き
のど のどの異物感、のどの圧迫感、のどのイガイガ感、のどがつまる
心臓・血管系 動悸、胸部圧迫感、立ちくらみ、血圧の変動
呼吸器 息苦しい、息がつまる、息切れ
消化器 食道のつかえ、吐き気、腹部膨満感、下腹部の張り、胃の不快感、便秘、下痢、便秘と下痢を繰り返す、ガスがたまりやすい
手足 手足のしびれ、手足の痛み、手足の冷え・ほてり
皮膚 汗をかきやすい、汗が出ない、皮膚の乾燥、皮膚のかゆみ
泌尿器 頻尿、尿が出にくい、残尿感
生殖器 無月経、月経不順、月経量の変化、陰部のかゆみ
筋肉・関節 肩こり、筋肉の痛み、関節の痛み、力が入らない
全身症状 倦怠感、疲れやすい、めまい、微熱がでる、フラフラする、眠れない、すぐ目が覚める、起きるのがつらい
心の症状 不安になる、イライラする、落ち込む、怒りっぽくなる、集中力がない、やる気がでない、ささいなことが気になる、記憶力や注意力が低下する

■ 自律神経失調症と関係の深い病気
症状が特定の部位に強くあらわれた場合や原因がある程度はっきりしている場合には、別の病名で呼ばれることもあります。
消化器系:過敏性大腸症候群(過敏性大腸炎)、胆道ジスキネジー、神経因性下痢
頭痛:筋緊張性頭痛
皮膚:発汗異常
婦人科:プレ更年期、更年期障害
など

■ 治療はどうするの?
まず自己管理によるライフスタイルの見直しが必要です。十分な栄養と休養、適度な運動、睡眠、心にゆとりを持つなど、自分にあった生活リズムを作る事が大切です。薬物療法では自律神経調節剤、安定剤、漢方薬、女性ホルモン剤などが使用されます。その他、指圧やマッサージ、カウンセリングによる心理療法も効果的です。当院では火曜と金曜の午後に完全予約制で心理カウンセリングを行っておりますので、気軽にご相談下さい。