更年期障害

■ はじめに
更年期とは閉経前後の5年間をいいます。ほとんどの女性は50台半ばまでに閉経しますが、実際には卵巣の働きは40歳前後から徐々に低下し始めており、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌は少なくなります。

■ 更年期と自律神経
女性ホルモンの産生が低下すると、脳にある視床下部は「これまで通り女性ホルモンを分泌せよ」と卵巣に必死に命令を出します。しかし弱った卵巣は以前のように女性ホルモンを作れません。そのため視床下部はパニック状態になります。視床下部はホルモンの調節だけではなく、血圧や体温などを調節する自律神経の中枢でもあります。よって女性ホルモンが急激に減少する更年期には、様々な自律神経失調症状が出ます。

■ 症状
顔がほてる、汗をかきやすい、手足が冷えやすい、寝つきが悪い、動悸がする、血圧が変動しやすい、イライラする、疲れやすい、頭痛、肩こり、腰が痛い、物忘れをする、尿が近い、尿もれがある、など複雑で辛い症状がたくさんでます。これらの不調を感じた女性が、まず最初に受診するのは内科です。しかし内科医は胸部レントゲン、心電図、血液検査などで特に大きな問題が見つからないので「心配しないで下さい」と帰します。原因不明の体調不良に悩まされた女性は、たらいまわし状態になり、長い間辛い症状に苦しめられます。「もしかすると、更年期障害?」と周囲に指摘され婦人科を受診し、そこで初めて更年期障害を疑われるのです。最初に十分な問診と女性ホルモンの検査などを行い更年期障害と診断されていれば、辛い症状から早く開放されるのです。

■ 治療
更年期障害の治療には女性ホルモン補充療法を始め、漢方薬や安定剤などの薬物療法が行われますが、いずれの治療法を選択するのか主治医と良く相談する必要があります。また、家族の理解と協力、特にパートナーとのコミュニケーションも大切です。医療機関に頼るだけではなく、お互いに病気を理解し、協力し合っていくことが大切です。

当クリニックは女性専門のクリニックで、内科医、女性の婦人科医、女性の心理カウンセラーが連携して女性の健康ライフをサポートしておりますので、気軽に相談下さい。